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2006年09月 読書ノート
最終更新日:2006/09/17

 ここでは私が読んだ本についての感想を公開しています。本のジャンルは「なんでもあり」です。

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レトリック
オリヴィエ・ルーブル(白水社文庫クセジュ)

 この本の冒頭で「コラクスの両刀論法(ジレンマ)」という逸話が紹介されている。ティシアスという人物が教師コラクスにレトリックを学んだ。「コラクス先生、先生は私に何を教えてくださると約束して下さったのでしたかな」「誰であろうが説得してしまう術じゃ」。それに対してティシアスは、「そうでしたな。そうすると、もし先生が私にその術をちゃんと教えて下さったのであれば、(私は誰でも説得できる能力を身につけているわけですから)謝礼金を受け取らないように先生を説得することもできるわけですよね。反対に、もし先生がちゃんと教えて下さらなかったのであれば、約束不履行ということになり、この場合はもう私には先生にお金をお支払いせねばならない理由はなくなってしまうわけですな」という言う。これに対してコラクスも似たような反論を行う。このやりとりは裁判の中で行われており、判事たちはあきれて「この師にしてこの弟子あり」と述べるにとどまった。という話。
 レトリックというと、僕は文章の修辞技法というイメージが強かった。この本では、文彩、論法と説得という点でレトリックの解説が行われている。先に挙げた逸話は、文彩というよりも論法の側面が中心である。この本であげられている文彩や論法は、無意識ながら実際に自分が使っているものが非常に多い。だからこそ、適したレトリックを適した場面で使用するには、きちんとレトリックを学んでおく必要があるのではないだろうか。と、この本を読んで感じた。ただ、レトリックを学ぶための本としては、この本は難しいというか、整理されていない印象を受けた。読み物としては面白いので、レトリックへの関心を深めるという意味では、この本を読んだことはとてもプラスになったと思う。
日付:2006/09/17


MySQLによる最速RDBMS構築ガイド
鶴長鎮一(ソフトバンク・パブリッシング)

 フリーのRDBMSの代表格MySQLの一歩進んだ解説書。MySQLの書籍というと、とりあえず使ってみましょうという感じの本が多いが、この本はパフォーマンスチューニングにも踏み込んで解説が行われている。
 僕は、今までデータベースのチューニングを扱った書籍は、Oracle向けのものしか読んだことがなかった。今回この本を読んでみて、普遍的に通用する部分とソフトウェアに依存する部分がある程度整理できたのではないかと思う。MySQLは特にWebアプリケーションのバックエンドとして利用されることが多いということもあり、更新系よりも検索系の方がアクセスが多い場合が一般的だ。検索系のアクセス負荷に耐えられるようにするためには、一方向のレプリケーションでマシン数を増やしてしまえばよいという発想は自然なアプローチだと思う。Oracleの書籍で一方向のレプリケーションにフォーカスが当てられているものは読んだことがないので、これは一つの特徴ではないかと思う。逆にインデックスやコネクションプーリングなどは、Oracleと大きな違いはなく、やはり普遍的なチューニング手法なのだと思った。
日付:2006/09/17


最新医薬品業界の動向とカラクリがよーくわかる本[改訂 第2版]
荒川博之(秀和システム)

 医薬品業界の解説本。医薬品業界の動向や、業界の構造、仕事内容、医薬品開発の視点、法、医療保険と薬価などの視点から解説が行われている。医薬品は、利用者の立場ではかなり身近なものだが、その製造の話となると全くと言っていいほど知らないことが多かったと思う。そのため、言葉のレベルでは聞いたことがあるというものはあっても、内容としては知らないことが多く、この本の内容はかなり新鮮に感じることができた。
 医薬品業界では合併が頻繁であること、政府の医療費抑制策によって儲けがすくなることが見込まれること、医薬品業界は新薬の開発が肝になるということ、新薬に対してジェネリック医薬品という安価な医薬品にも注目が集まっているということ。そしてそれぞれが関連していること。などいろいろな知識を得ることができた。医薬品業界の知識意外に、少しだけ医薬品の技術的な側面にも触れられており、そちらも興味深かった。

日付:2006/09/17


現代小説のレッスン
石川忠司(講談社現代新書)

 結論から言えばよくわからない内容の本だったと思う。村上龍、保坂和志、村上春樹、阿部和重、舞城王太郎、いしいしんじ、水村美苗などの作品を題材に現代小説、エンターテイメント小説についての考察が述べられている本である。特にこれと言った結論があるわけでもなく、小説の見方が延々と述べられているような印象を受けた。個々の見方はそれぞれ面白く、また題材として取り上げられている小説も興味深いので読んでみたくなる。
 この本で述べられている考察の中で最も印象に残ったのは、『日本語は「ペラい」』という解説の部分。この本の冒頭に、小説独特の内省や描写がかったるい、そのかったるさを消去した上で、なお存在させるスキルがエンターテイメント小説に求められる。という、主張が述べられている。そのかったるさを形作るの原因の一つが日本語の「ペラさ」であると考える事が出来る。日本語は恐ろしく表層的なので、一つの言葉をたくさんの助詞や助動詞などでトートロジカルに修飾することになる。例えば、「感謝する」を「心から、本当に、大変厚く、感謝申し上げます」と表現するように。これがかったるさに繋がる一因と考える事が出来る。内省のかったるさは少し異なる側面もあるとは思われるが、文章を作る上で、日本語の「ペラさ」ゆえのかったるさに気をつけると言うのは、いろいろと意識してみるのが面白いのではないかと感じた。
日付:2006/09/05


はじめてのPHP言語プログラミング入門
大垣靖男(技術評論社)

 PHPに触れるのははじめてではないのだが、この本を手に取ってみた。PHPと言うと、言語というよりもWeb、DBアプリケーションをお手軽に作る環境というイメージが強い。しかし、この本はPHPを言語からアプローチしている。僕は、品質のよいプログラムを作るためには、それがスクリプト言語であったとしても、きちんと言語として理解する事が必須だと思う。最近、益々PHPと言う環境が、Webアプリケーションでよく使われるようになってきているので、この辺りで言語としてきちんと理解する必要があるのではないかと思ってこの本を手にした。
 実際に読んでみた感想としては、PHP言語の解説というものは新鮮な印象があった。言語の説明が終わった当たりから、Webアプリケーションの解説となっていたが、言語から学んでおくと理解がスムーズになる。また、この本ではPHP環境の設定について、結構触れられている。PHPはphp.iniと言う設定ファイルによって、かなり挙動が変わるようなので、この辺りをきちんと理解しておくことトラブルなどの対処には有効だと思われる。
日付:2006/09/04


Apacheハンドブック 第3版
ベン・ローリー、ピーター・ローリー(オライリー・ジャパン)

 WebサーバソフトApacheの管理者・開発者向けガイドブック。オライリーの本らしくしっかりした内容でとても読み応えがあった。Apacheの基本的な設定から、バーチャルホスト、認証、コンテンツネゴシエーション、インデックスのカスタマイズ、リダイレクト、プロキシ、ログ、セキュリティ、SSI、PHP、CGI、mod_perl、Servlet、Cocoon、ApacheAPIとモジュールの作成と盛りだくさんの内容。実際、Apache設定はLinuxサーバの入門書などで簡単な設定方法が書かれているので、何となく設定する事はできる。ただ、インターネット上での運用という事まで見据えて考えると、スケーラビリティやセキュリティの観点も必要になるので、このようなしっかりした書籍でしっかりと学んでおく必要があると思う。
 これだけ盛りだくさんの内容を読んでみて、ApacheというWebサーバは実にいろいろなことが出来るということがわかった。このような知識を身につけておけば、無駄な開発を減らすことも出来るだろうし、Apacheにさせたくないことをきちんと無効にすることもできる。現段階では、一通り目を通したレベルなので、実際に設定などをする時は、またこの本のお世話になることだろう。
 また、この本では管理以外に、Apacheを拡張するための開発についても触れられている。正直、開発の部分に関しては、細かいところまでは読まなかったが、Apacheの拡張モジュールの考え方が何となく理解できた。Apacheを拡張するというアプローチもどこかで役立てることが出来ると素晴らしいなと思った。
日付:2006/09/04




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