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2006年07月 読書ノート
最終更新日:2006/07/31

 ここでは私が読んだ本についての感想を公開しています。本のジャンルは「なんでもあり」です。

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MBA人材マネジメント
グロービス・マネジメント・インスティテュート(ダイヤモンド社)

 組織構造、人事システム、組織文化の3テーマについて書かれているグロービスのMBAシリーズ。この本で取り上げられている組織構造や人事システムについては、他の本でも良く目にしたような内容が多かった。組織構造については、機能別組織、事業部組織、マトリックス組織と言った話題。人事システムは、終身雇用などの日本型雇用、採用・配置、評価、報酬などのテーマ。他の本でも見たような内容が多かった気がしたのは、僕自身がそれなりの量の経営書を読みこなしてきた証拠なのだろうか。
 僕がこの本で興味深かったのは、組織文化のテーマ。だが、この本の少ないページだけで理解するにはなかなか難しく、考え方のほんの一面を知ることができたかな。と言う印象を持った。組織文化については、それだけを取り扱った専門書を読んでみたいと思った。
日付:2006/07/31


MBAリーダーシップ
グロービス・マネジメント・インスティテュート(ダイヤモンド社)

 お馴染みグロービスのMBAシリーズ、この本はリーダーシップというテーマが取り上げられている。リーダーシップ行動モデル、変革リーダーシップの技術、適合的リーダーシップの技術という3章構成となっている。一通り読んではみたものの、もう一度読まないといまいち良く理解できないなと言うのが第一の感想。
 僕だけのイメージかも知れないが、リーダーシップのような人間の行動をテーマにした本というと、心理学っぽく、ウェスタンエレクトリック社のホーソーン工場の実験のようなことが触れられているのかと思っていたが、この本はビジネスに直結する、実践に近い内容の本だった。この本のあとがきでも触れられていることだが、「リーダーシップ論は、論者の数だけある」ということで、この本を読むことで一通りのリーダーシップの知識が得られたと言う感覚はない。あくまでも、実践に生かせそうな内容が取り上げられていると、言えるのではないかと思う。
 この本全般で触れられていることだが、リーダーシップのスタイルとして絶対的に良いスタイルというものがあるわけではなく、ケースバイケースで状況に応じて適したスタイルがあると言われている。この本で取り上げられているリーダーシップ行動モデルとして、価値創造型、目標達成型、戦略実行型、人材育成型がある。どれも大事なのだが、これらの要素を同時に持つことはスタイルを曖昧にしてしまい、どっちつかずに鳴ってしまうリスクがある。状況に応じてスタイルを決めるということだが、状況把握と行動決定まで、この一面だけをとってもリーダシップを発揮するということは考えることが多い。
日付:2006/07/28


涼宮ハルヒの憤慨
谷川流(角川スニーカー文庫)

 涼宮ハルヒシリーズの8巻目。編集長★一直線!、ワンダリング・シャドウという2本立ての短篇集。2作品のみ収録という言うことで一作品は長め。
 編集長★一直線!は、生徒会に強要された文芸創作活動をおなうという話。こちらは純粋な学園ものの小説と言う感じで、特にこのシリーズらしい不思議な要素はない。ワンダリング・シャドウは、幽霊騒ぎの相談が主人公たちが属するSOS団に持ち込まれるというもの。少し不思議な要素があるとは言え、今までのこのシリーズと比較すると、涼宮ハルヒ自身の不思議要素からはちょっと距離を置いた感じ。
 全体的に、このシリーズを今後どのように進めていくかを模索しているような印象を受けた一冊だった。
日付:2006/07/23


涼宮ハルヒの陰謀
谷川流(角川スニーカー文庫)

 涼宮ハルヒシリーズの7巻目。この作品は「涼宮ハルヒの消失」に似たテイストの作品で、未来人のタイムトラベルがテーマになる。今回は、主人公のキョン自信が時間旅行をする訳ではなく、朝比奈みくるが少し先の未来(8日後)からやってくるというストーリー。
 時間軸の流れが8日間とコンパクトにまとまっていることも会って作品自体にまとまりがあって読みやすい。未来から来た朝比奈みくるには、未来から来た朝比奈みくると出会った記憶が無いため。あわないようにするなど、シンプルなタイムトラベルの要素も分かりやすい。下駄箱に投げ込まれた手紙に従って、理由のわからない行動をいろいろとさせられるた後の結末は、いまいちしっくりこなかった感はあるが、全般的に読みやすい作品だったと思う。
日付:2006/07/21


涼宮ハルヒの動揺
谷川流(角川スニーカー文庫)

 ライブアライブ、朝比奈ミクルの冒険 Episode00、ヒトメボレLOVER、猫はどこに行った?、朝比奈みくるの憂鬱という5本立ての短篇集。涼宮ハルヒシリーズの6巻目となる。本自体も薄く、しかも5本も短篇が入っているのでとても気楽に読めた言う印象が強い。(ライトノベルなのでもともとかなり気楽なのだが)
 「ライブアライブ」は「涼宮ハルヒの溜息」で撮影していた映画を上映する学園祭当日の話。「朝比奈ミクルの冒険 Episode00」はその上映した映画の内容。「猫はどこに行った?」は涼宮ハルヒの暴走に収録されていた「雪山症候群」の後日談で、ミステリーなんだかなぁ?と言う感じの作品。という感じで5作品中3本が前作までのネタフリに対して描かれている作品となっている。シリーズとして読んで来ていなければ楽しめないと言えば楽しめない短篇集になっているような気がする。
日付:2006/07/17


理系白書 この国を静かに支える人たち
毎日新聞科学環境部(講談社文庫)

 この本の中でも触れられているが、青色LEDの開発に成功した元日亜化学工業の中村修二氏が、正当な対価を求めて日亜化学工業を訴えたことは有名だ。科学者が研究に取り組み技術を進歩させるためには、それ相応の対価を支払うべきで、そうしなければ子供たちが科学の道に進まなく(理系離れが進み)なってしまう。このような警鐘を鳴らしていたことは、僕自身はよく知っていた。そのような内容を含めて、この本のテーマに関心を持ち、今回手にとってみた。
 理系というか、研究者がより良い研究(世界に先駆けた研究、社会に貢献できる研究などいろいろな意味で)を行うためには、どのような取り組みがなされているか、またはなされていないかが取り上げられている。それぞれ、興味深いテーマが多かった。理系が貢献に対して報われていないという日本の現状がよくわかった。そのようなテーマの中で異色という感じがしたのが、理系の「恋愛力」というテーマ。このテーマでは理系の男性が、女性と接する機会が少なく恋愛下手な人が多いということが扱われていた。具体的なケースも取り上げられており、なるほど確かにと感じた。が、残念ながらこの本には、「だからどうすればよいのか?」というところまでは触れられていなく、ちょっと残念。
 その他、この本の中で取り上げられている理系カルチャーのテーマの中で倫理の話に触れられている。七三一部隊・和田心臓移植・地下鉄サリン事件などは、理系の技術力が好ましくない方向に利用されてしまっているケースだ。七三一部隊については正直余り知らなかったので、この機会に調べてみた。調べれば調べるほど、目をそらしたくなる事実であることがわかった。理系とか文系とか言う問題ではなく、このような事をきちんと知らなかった自分が恥ずかしいなと感じた。
日付:2006/07/14


号泣する準備はできていた
江國香織(新潮文庫)

 直木賞受賞作と言うことで以前からタイトルは知っていたので、ふと手にとって読んでみる事にした。著者自身のあとがきに書かれている「短篇集、といっても様々なお菓子の詰め合わされた箱のようなものではなく、一袋のドロップという感じです。」という表現は上手くいったもので、この短篇集に含まれている作品は、すべて同じ雰囲気を持った作品だと感じた。
 200ページくらいの文庫本で、収録されている短篇は12作品。一作品、一作品はとても短くすぐに読めてしまう。どの作品でも主人公の女性が、問題を抱えていて(その多くは男女の人間関係である)、その問題に向き合う様が描かれている。それぞれの問題は当事者にとっては大きな問題だが、文章からは悲壮感が漂うようなトーンは受け取れない。風が吹いた後から考えるようなペースで主人公は行動していく様が感じられる、不器用な感じ。
 「号泣する準備はできていた」。この短篇は、主人公の愛する男性からの電話と、主人公とその姪とで物語が展開される。電話越しでしか登場しない男性との微妙な距離間が、この作品に上手く寂しさの雰囲気を出しているな。そんな風に思った。
日付:2006/07/11


博士の愛した数式
小川洋子(新潮文庫)

 数学科卒の僕としては以前からちょっと気になっていた作品。しかも、映画化されるほど一般に受け入れられているという、数学を取り上げている作品らしからぬところも気になっていた。と考えていたら、この本の解説(数学者の藤原正彦氏)にも同じようなことが書かれていた。純文学は売れない、数学者が主人公ならばなおさら売れない。
 読後の感想としては「数式」と銘打ってはいるがそんなに難しい数式が出てくるわけでもなく(まぁ、当然と言えば当然だが)、読みやすいタッチの作品だと感じた。80分しか記憶が持たない元数学者の博士、その屋敷に派遣された家政婦、ルート(√)と言う愛称の家政婦の息子の3人が互いを気遣って、過ごしていく日々が描かれている。ところどころに数学ネタが出てくるが、どちらかと言えば登場人物の愛情の描写が中心。博士が数学の話を懸命にしている姿と、その話を優しく(そして真剣に)受け止めている家政婦の姿が浮かび上がってくる。
 ちなみに、この話で阪神タイガースの話題が出てくるが、著者の小川洋子氏は熱心な阪神ファンなのだとか。
日付:2006/07/06




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