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2005年11月 読書ノート最終更新日:2005/11/29
ここでは私が読んだ本についての感想を公開しています。本のジャンルは「なんでもあり」です。
読んでいて感じたのは内容が古いということ。1998年に書かれた本なので、そこから既に8年が過ぎている事になる。この本に書かれている電子マネーやインターネットでの決済手段などは、方法は違うけれど実際に実用化されていることが多い。
この本に示されているECが世の中に与えるインパクトや考え方などは参考になった部分が多い。メーカーの直販ビジネスや、ネットワークの連携を生かしたワンストップサービスなどは、まだまだ不便な面や課題も多いが、現在は実際に動き始めている。そのようなプラスの面以外に、電子マネーやネットを活用したマネーロンダリングの問題や個人情報保護(電子マネーを使用した購買履歴情報の管理の問題)も取り上げられている。現在の電子マネーにおいて、このような課題がどのように扱われているかは、勉強不足で知らない。このような点は知っておく必要があると感じた。
ただ正直なところ、この本にかかれているECを支える技術面の話題はあまり参考にならなかった。現在、主流ではないと思われることも取り上げられており、混乱してしまう可能性もあるので技術面を期待するならば、この本はあまりお薦めできない。
日付:2005/11/29
ファシリテーション。この本を読むまで、会議の進行役を上手くこなす方法くらいにしか思っていなかったのだが、正しくもあり、間違ってもいた。ファシリテーションとは、事務連絡や確認事項を漏れなく実施する通常の会議の進行ではなく、参加者が活発に意見を交わし合って創造的なアイデアを出すための進行の方法である。
この本は「教科書」と銘打たれている割にはが、読みやすく、実践的な本だと思う。議事録の事例など実際の会議に流用することができそうなフォーマットが掲載されていたり、思考ツールとしてMECE・3C・5つの力などの一般的なフレームワークも紹介されており、実用性という意味でバランスの良い本だという印象を持った。しかし、実践するとなるとこの本の知識だけでは太刀打ちできず、経験を積む必要があるだろうと言うことも感じた。僕自身、最近は会議形式で議論をする機会が増えてきていることもあるので、上手く経験を積んでいきたいと思った。もちろん、この本に書かれているいる知識を上手く活用した上で。
日付:2005/11/28
著者の一人の平井孝志氏から直接頂いたことをきっかけに読んだ。本というものは著者を知っていると、より興味深く読むことができる。
組織力を高める。この本では、中間管理職であるマネージャに対して、どのようなことを意識してリーダーとなっていくべきかが示されている。幸か不幸か、僕はまだマネージャではなく、部下がいる立場ではないので、ちょっと他人事感覚で読んでしまった感がある。
組織力は「遂行能力」と「戦略能力」のかけ算。マネージャは、経営者(戦略)と現場(遂行)を繋ぐ組織の要だという主張には、納得。マネージャが何もかもできる訳ではなく、経営者にも責任がある場合は多いが、マネージャが動くことで組織を動かすことはできるという主張が書かれている。マネージャを対象とした組織の本となると、どうしても強いチームを作るというようなテーマの本が多い中、組織全体を見据えたマネージャ向けの本ということで興味深く読むことができた。
自分がマネージャという立場に立った時、「遂行能力」と「戦略能力」を持ったプレイング・マネージャとなるための示唆を与えてくれる本だった。僕がマネージャになる時には、もう一度読み返したい本だと思う。
日付:2005/11/24
携帯電話業界、現在はだいたい8.5兆円くらい。が、この本のタイトルは30兆円と随分と大きな数字になっている。しかしこの本には、携帯電話業界が30兆円規模にまだまだ成長すると言う夢のある話が書かれているわけでも無い。
NTTドコモ、KDDI(au)、ボーダフォン、ウィルコムの既存キャリア。そして、イー・アクセス、ソフトバンクという新規参入のキャリア。まずは既存キャリアの現状について、NTTドコモのおさいふケータイ、auの着うたなどのサービスと3GとFMC(FixedMobileConvergence)、ボーダフォンの3Gの失敗とMVNO(MobileVirtualNetworkOperator)への取り組み、ウィルコムの通話定額制とW-SIMなどが紹介されている。新規参入キャリアのイー・アクセスについてはMVNOへの取り組みが紹介されているが、ソフトバンクは特にこれと言った未来は語られていない。新規参入キャリアについては、事業戦略上、詳細を明らかにしていないのだとは思われるが、個人的にはあまり期待が持てないなと言う印象を抱いた。期待できるのは既存キャリアに値下げ圧力をかけるくらいかな。
実際に新規参入キャリアが事業を始めてみなければわからないことではあるが、本のタイトルから見て将来への夢や期待の持てる内容にはできなかったのだろうか(例えば、海外の例を持ち出すなど)、というのがこの本を読んでみての感想。
日付:2005/11/17
通販と言っても、実に様々な業態が存在する。ネット通販、カタログ、テレビショッピングなど。この本では、そのような通販業界のトレンドとその仕組みを中心に取り上げられている。僕自身は仕事上ネット通販に関わることが多いのだが、ネット通販以外の通販ビジネスについて知ることができたことは意味があったと思う。そしてそれよりも大きな意味があったのは、通販ビジネスの仕組みを簡単ではあるけれど知ることができたこと。
通販のビジネスは、「情報」をうまく使って、「商品(MD)」「顧客」「メディア」「フルフィルメント(受注・配送・代金回収・コンピュータなど)」を回すこと。他の小売チャネルと比較して、はるかにシステマチックに組み立てられたビジネスだと言うこと。そのようなシステムをきちんと構築することが通販ビジネスで成功する必要条件であり、メーカーの直販がなかなか上手くいかないのはそのようなことが一因であると言うこと。それ以外にも僕の考え方としては、顧客と遠隔でやりとりすると言うことは、少しのミスでも顧客の信頼を一気に失ってしまう危険性が高く、遠隔であるが故にミスも発生しやすいと言う側面もあると思う。対面販売に比べて、システマチックで人手がかからないイメージがある通販だけれど、その仕組みは人とコミュニケーションをするための仕組みだということを忘れてはならないとも思う。
この本は非常にためになる内容だった、ネット通販に関わっている身としてこのような本をもっと早く読んでおくべきだったと痛感した。
日付:2005/11/17
経営学小倉昌男(日経BP社)
ヤマト運輸の元社長でクロネコヤマトの宅急便の生みの親である小倉昌男氏の著書。開始当時は採算がとれないと言われた宅配便事業に取り組んだ。単なるバクチでは無く、将来的に損益分岐点を超え利益を出せると言う見通しや、一般家庭の主婦が気軽に宅急便を利用できるための配慮など、宅配便のビジネスを成功させるため様々な取り組みがあったことが記されている。それ以外にも、スキー宅急便・クール宅急便など、宅急便のビジネスの幅を広げるための取り組みについても紹介されている。
この本では、このようなヤマト運輸のビジネスについて示されているが、書名「経営学」の通り、それぞれのビジネスに対して経営者としてどのような態度で臨んだかと言うことがかかれている。そして、巻末には経営リーダー10の条件と言うものが記されている。論理的思考・時代の風を読む・戦略的思考・攻めの経営・行政に頼らぬ自立の精神・政治家に頼るな、自助努力あるのみ・マスコミとの良い関係・明るい性格・身銭を切ること・高い倫理観。この中の「高い倫理観」で、人間として大事なことは「真ごころ」と「思いやり」だと思っていると言う記述に非常に共感を覚えた。企業は利益を上げるためにビジネスを行っている訳ではなく、利益は企業が存続するための手段、経済活動の結果であるということは、僕の考え方と同じで非常に共感できた。また、「戦略的思考」の中で述べられている「安全第一、営業第二」と言うスローガンは、合理的で従業員にとって理解しやすいものだと感じた。この本で、何でも第一では良くないと言うことが書かれている。僕も仕事をしていて、「これは重要、それは優先、あれは至急」というように指示を出されて、混乱を通り越して怒ってしまうことがある。第一を明確にするために、第二も言うと言うのはうまいやり方だなと感心した。
日付:2005/11/16
[新版]MBAマーケティンググロービス・マネジメント・インスティテュート(ダイヤモンド社)
今まで経営に関する書籍をいくつか読んできたけれど、マーケティングの本は初めて読むと思う。セグメンテーション、ポジショニング、製品戦略、価格戦略、流通戦略、コミュニケーション戦略とこの本で取り上げられているテーマを並べてみても、初めて読むものばかり。
このMBAシリーズの他の本と同じように、この本でも様々な事例が取り上げられている。サントリーや花王の製品がよく取り上げられていたが、実際に自分が商店やコマーシャルなどで目にするものが取り上げられていたので、事例で語られている内容をイメージすることは用意だった。しかしながら、その事例から、フレームワークへ、フレームワークを事例に適用すると言うところまで考えてみると一回読み通しただけでは、全く理解できていないのではないかと感じた。この本を、もう一度じっくりと読まなければならないなと感じた。
ただこの本は、読み物として一回さらりと読んでみると言う読み方をしても、面白い本だと思う。実際に、世の中に出回っている製品をどのようにフレームワークに当てはめているのかというのを読んでみるだけでもとても興味深い。
日付:2005/11/16
ニシノユキヒコという男性が、いろいろな女性を愛したり、いろいろな女性に愛されたり。そのような連作短編集、10作品で構成されている。すべての作品は主人公の女性の視点から見たニシノユキヒコという男性が描かれている。また、全ての作品の主人公は異なる。
ニシノユキヒコという人物は、平たく言えば、非常に女性にもてる男性として描かれている。そのニシノユキヒコに主人公の女性たちは振り回されてく、ニシノユキヒコ自身はその女性を振り回すつもりはないのだろうけれど。ニシノユキヒコが主人公の女性を愛してしまうことで混乱している様子もある、女性の見た視点から見て。主人公の女性たちにとってニシノユキヒコはつかみ所のない存在として描かれている。主人公とニシノユキヒコとの恋が過ぎた時は、風が吹いた程度の表現ですまされている。その風がどれほど冷たかった、暖かかったについては、それほど語られずに。
なんとなくつかみ所の無い作品集だったが、さっと読み終えることができた。この本を読んでいた時の僕は、ニシノユキヒコという男性像を見て、まぁだいたいの男はこんな感じだろうな、と感じた。どの辺りがかというと、主人公の女性との接し方かな。
日付:2005/11/11
認知心理学というのはこういう学問なのだな、こういう心理学も存在するのだな。というのが、第一の感想。僕の場合は、心理学というと精神分析やトラウマのような深層心理をイメージしてしまう。この本では認知心理学を、認識と知識の実験心理学という紹介している。具体的には、目の錯覚や物事の考え方などがそれにあたり、この本ではそれらを実験を通して明らかにしていこうという取り組みが紹介、解説されている。
認知心理学の成り立ちの解説で、認知心理学がコンピュータ工学(認知情報工学)と深い関係を持っている事を知った。実験心理学というアプローチが、人間の認識をコンピュータの様なモデルと仮定し、それを証明するための実験方法を考え、その実験を行い、そのモデルが正しいか否かを判断するという手順をとっている。そのような事からすると、コンピュータ工学と深い繋がりがあることはある意味当たり前なのかもしれない。また、僕の様なシステムエンジニアの立場からは、認知心理学の成果をコンピュータ工学に応用し、人にやさしいコンピュータを開発する事に役立てるという意味でも有意義な学問だなと考えた。
改めて世の中には色々な分野の学問があるなと思った。どのような学問も、やはり意味のあるもので、その意味はある程度学んでみなければ分からない。しかし、時間には限りがある。この認知心理学のように、今までに自分が学んだことが無い学問に出会うたび、もっとたくさんの時間が欲しいなと感じる。
日付:2005/11/11
バランストスコアカードを、戦略立案、スコアカードの導入、情報システムの視点から説明されたガイドブック。付録には、KPI(Key Performance Indicator、業績評価指標)ライブラリーとして400個の指標が掲載されている。その他にも、ワークシートのひな形も掲載されている。全部を通して読んでみて、実践的な本だと感じた。
まず、ベリングポイントのコンサルティングで実施されている経営戦略の策定方法「ミッションマネジメント」について解説されている。そこで、経営戦略を明確に整理した上で、KSF(Key Success Factor、重要成功要因)を抽出、重要プロセスのドリルダウンと課題の明確化を行い。それぞれの依存関係を整理、KPIを設定してバランストスコアカードにする。それから、情報システムを活用して、バランストスコアカードを運用する。そして、バランストスコアカードは運用を進めながら、軌道修正をしていく。この流れが順序立てて説明されており、スムーズに理解することができた。バランストスコアカードを実践するためには、とても参考になる本だと思う。
この本を読んでいて印象的だった記述がある。バランストスコアカードの全社展開の段階で、その企業の戦略経営体系が見えてくる。その段階でおかしければ戦略テーマなり指標なりを修正していくことになり、指標に間違いがない場合は戦略そのものが間違えていたと言うことになる。つまり、従業員が指標を達成し、さらに指標にも問題が無かった場合は、経営戦略に誤りがあった。経営者の戦略が間違えていたと言うことになる。バランストスコアカードの運用によって、経営者が自戒できるようになれば、企業として良い状態になるのではないかなと感じた。
日付:2005/11/08
セイコーエプソンという会社。セイコーと言えば時計、エプソンと言えばプリンタと言うイメージがある。時計とプリンタには密接な関係があることを、この本を読んで始めて知った。エプソンのプリンタ事業は、東京オリンピックで計測したタイムを紙にプリントアウトする為の機会の製造から開始していると言うこと。なるほど、時計のセイコーからプリンタの会社が生まれたのか。これは、僕にとって新鮮な知識。
このプリンタ事業だが、セイコーではクオーツの技術による時計のビジネスが成功した直後に着手されることになる。しかもクオーツの技術・ビジネスの中心となった人物が、成功した(成功が約束されている)事業から飛び出して、わざわざリスクが高く、将来性の見えないプリンタ事業に取り組んでいく。この本では、主にこの取り組みを通じて、エプソンのらしさを説明しようとしている。この本では、そのらしさを「挑戦」と「共生」と言う言葉で表している。新しいビジネスや技術にチャレンジしていき、開発した技術は公開して他の企業と切磋琢磨してより良いものにしていく企業文化である。
このような本を読んでいると、新しいビジネスへの取り組みに積極的な企業というのは活力があって面白いなと感じる。これがエプソンの企業文化ということではなく、東京オリンピック以降という高度経済成長と言う時代背景と、エプソンという会社がまだまだ若いという理由もあるかも知れない。しかし、そのような環境で働くことができれば楽しいだろうなと、うらやましい感じがする。もちろん、自由に取り組めるということは、そうとうきつい仕事が待っていると言うことでもあるのだとは思うけれど。
日付:2005/11/05
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