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2005年06月 読書ノート最終更新日:2005/06/30
ここでは私が読んだ本についての感想を公開しています。本のジャンルは「なんでもあり」です。
ケースメソッドとは何かという基本的な解説、ヤマト運輸のケースを使用したケースメソッドの実例、ケースメソッドを行う上で利用できるツールの紹介という構成の書籍。ハーバード、スタンフォード、慶応などのビジネススクールでよく使われているというケースメソッドだが、具体的にどのようなものなのかというといまいちイメージしにくい印象があった。そこで、具体的なケースメソッドの事例が載っているこの本を手にとって読んでみた。具体的なケースを読むこともでき、また実際のケースメソッドのレポートやプレゼン資料を見ることもできたので、ケースメソッドというものをより具体的に知ることができ有益だった。
本書のケースメソッドとは何かという説明の中で、ケーススタディとの比較されている部分があった。ケーススタディは、理論的な原理・原則を発見することを目的として行う学術的な研究。ケースメソッドは、ビジネス上の意志決定力、問題解決力を高めることを目的として行われる教育方法。この説明にはなるほどと思った。ケーススタディとケースメソッドは類似のモノという印象があるが、これらはケースを利用する目的が全く異なっていることが明らかだと言うことが理解できた。
日付:2005/06/30
77冊のビジネス書について、要約・背景・影響について紹介されている本。一通り読んでみた最初の感想は、「物足りない」。77冊もの本に書かれている内容を1冊の本に要約してしまっているので当たり前ということも言えるし、良書が紹介されているので読みたくなるのは当然であるということも言えると思う。
紹介されている本は、「P・F・ドラッカー」「マイケル・ポーター」「アダム・スミス」「J・M・ケインズ」「F・W・テーラー」など、定番中の定番が多い。経営学を学ぶのであればこれくらいは読んでおかなければならないという本ばかりという印象を受けた。その中で、異色という印象を受けたのが、宮本武蔵「五輪の書」、孫子など。戦いにおける心得、兵法書ということで経営学とは関連性が無いように思うが、企業戦略という言葉にも戦略とあるように、企業経営と軍事は似ている部分が多いと言うこと。ドラッカーやポーターなどの経営書以外にも、このような本を読んでみるのも為になるのかな、という感想を持った。
それ以外に皮肉っぽい本も紹介されている。ローレンス・J・ピーター「ピーターの法則」では、課長で優秀な人間は部長に昇進する、しかしその人が部長として優秀とは限らない。というように、人は優秀とはされない職位まで出世していく。その結果、組織は無能な人間ばかりになっていくということを取り上げている。スコット・アダムス「ディルバートの法則」はコミックで経営を皮肉っている。これらについては、ビジネス書でありながら、息抜きの感覚で読めそうな本のような印象をもった。
このメモを書きながら、改めてこの本をぱらぱらとめくっていると、読んでみたい本がたくさんあると感じた。
日付:2005/06/26
経営学検定試験公式テキストの最後の巻、「人的資源管理」を取り扱っている。取り上げられているテーマは、経営戦略と人的資源管理、雇用形態の多様化、人事制度、人事評価、福利厚生、能力開発、労使、リーダーシップとモチベーション、ストレスとメンタルヘルスなど。人的資源管理という言葉から、人事制度や人事評価といった人を管理するという視点のみを連想して読み始めた。しかし、それ以外にナレッジマネジメントに通じる人と人とのコミュニケーション、そしてOJTやOff-JTによる能力開発など人を育てる視点。さらに、福利厚生、モチベーション、メンタルヘルスのように、「人」を雇用(使用)するのであれば当然考慮しなければならないことについても取り上げられており、人的資源管理というテーマでも考慮しなければならないことが幅広いという事を気づかされた。
日本における人事評価について、「原因→プロセス→結果」を「職務遂行能力、意欲・態度、職務遂行度」に、さらに「能力評価、勤務態度評価、成績評価」と対応づけて評価しているということは、人事評価に関する事例などで何となく感じてはいたが、明確に整理されており、人事評価の考え方を再発見できたと思う。
能力開発を一言で整理すると、OJTで先輩・上司から仕事を習い、OffJPでは知識を体系的に整理する、ということになる。これに加えてSD(Self Development、自己啓発)が重要視されてきているという指摘があるが、これは個人が雇用流動化に対応するために自発的に行っているというのが実体ではないかと思われる。個人が自己啓発で培った能力を発揮できる場所を、企業が上手く提供することができれば、従業員と企業の良い(Win-Winの)関係が構築できるのではないかな、という気がした。
日付:2005/06/23
「マーケティング」ということで、経営におけるヒト・モノ・カネのうちモノを扱う分野のテキスト。内容は、戦略的マーケティング、市場標的と市場細分化、消費者行動分析、製品戦略、価格戦略、チャネル戦略、コミュニケーション戦略、競争、流通など。このように列挙してみると、マーケティングと一言に言っても、いろいろなことを考えなければならないのだなという印象を持つ。マーケティングというと宣伝などのイメージが強いが、それ以外にも様々な分野にわたっている。
この本の全般を読んでいて共通するのは、消費の歴史。生産者視点から消費者視点へ、少品種大量生産から多品種少量生産へと移り変わっていくことで、企業は消費者の視点でモノ(製品やサービス)を提供することを考えていかなければなったということ。一言でまとめてしまうと、よく言われていることで今更という感もある。しかし、マーケティングの必要性、重要性がそのような背景から生まれていることをしっかりと見つめて、各論を読み進めていくと理解しやすく納得できる。
ところで、この本は経営学検定試験の公式テキストということもあり、内容はアカデミックで教科書的。研究者の考え方が次々と紹介されていて、それはそれで興味深い。しかし、その考え方に関する考察などはあまり記述されておらず、ちょっと寂しい感じもする。そのような内容(考察)は他の本に期待し、経営学の基本をきちんと理解するように心がけようと思う。
日付:2005/06/22
1巻「経営学の基本」、2巻「現代経営の課題」と順に読み進めてきた。この第3巻目はアカウンティング&ファイナンスということで、数式なども頻繁に使用されており、読み物として読み進めていくのは少ししんどい内容だった。また、アカウンティングとファイナンスが一冊にまとまっていることもあり、非常にボリュームが多いと感じた。まずは、一通り読んで見ようと言う思いが強かったので、細かな数式などはあまり深く考えずにとりあえず最後まで読んだ。まずは、どのようなテーマについて触れられていたを概観することがで来たのではないかと思う。
本書で取り上げられているテーマは、経営財務、管理会計、財務会計、キャッシュ・フロー、リスクとリターン分析、資本コスト、投資、企業価値、配当、年金。管理会計や財務会計を活用した経営意志決定については、必要性と有効性についてある程度把握することができた。企業価値に関しては、将来のキャッシュ・フローが等しい企業のマーケット価格は、裁定取引の機会が発生し等しくなる(誤解を恐れずに言えば、将来性が同じ会社は投資家の株式の売買によって同一の株価になるということ)ことや、配当・投資・自社株買いを行ったいずれの場合でも株主価値は変わらないということが数式を使って簡潔に説明されていたことが印象に残った。企業年金については、実際に問題が多いことはニュースなどで良く耳にするが、この本の記述でその知識を少しは整理できたのでは無いかと感じた。
日付:2005/06/21
青学、慶応、神戸大、一橋大などの国内でMBAの学位を取得できるビジネススクールを実際に各校で学ばれた・学ばれている方が紹介しているスクールガイドブック。各ビジネススクールの個性がよくわからなかったので、この本を手にしたのだが、その要求は満たすものだった。神戸大、一橋大などは理論重視、多摩大、早稲田大は実践重視の傾向があるのかなと言う印象をもった。国内のビジネススクールはまだまだ数が多くないことも幸いしてか、このような本で各校の個性がじっくりと紹介されているのは有り難いと感じた。
と同時に、僕が高校生の時に、大学を選ぶ際にこのような本があれば、もっと楽しく大学を選ぶことができたのではないかなぁということも思った。
日付:2005/06/19
青学、慶応、神戸大、一橋大などの国内でMBAの学位を取得できるビジネススクールの選考対策本。このよう大学院に出願する際、通常はその大学院で何を研究するのかを「研究計画書」にまとめて提出する必要がある。その研究計画書をどのように書けばよいのかが、実例付きで示されている。
この本には、研究計画書に何を書けばよいのかという一般的な話も書かれているが、3分の2が実際の研究計画書の内容となっている。研究計画書には、志望に至った経緯、予定する研究テーマ、どのような仕事に従事しているか、などが記載されている。この本の目的は、実際の研究計画書を読むことで自分がどのような計画書を記述するかを考えることだと思う。しかし、僕はこの本を読んで見て、どのような人がビジネススクールで学んでいるのかを知ることができた。僕にとってそれが、この本を読んだ最も大きな意味だったと思う。
日付:2005/06/16
ハーバード・ビジネス・レビューに掲載された論文の中から、ナレッジ・マネジメントに関するものが選ばれて、まとめられている。ナレッジ・マネジメントというもの全体を知るためでなく、ナレッジ・マネジメントの考え方をより深めていくために読むための本。以下は各論文の感想。
情報が組織を変える(ピーター・F・ドラッカー)…情報化が如何に組織を変えていくか。まず、情報の中継を行うだけの中間管理職は不要になる。価値ある情報は、トップが吸い上げるだけでなく、現場の前線に居るスペシャリストによって保持・活用される組織へと変革していく。という内容の論文。よく耳にする知られた内容だが、この論文ではそれに加えて、中間管理職が不要になった結果、将来のトップを育てる環境が無くなってしまうという問題についても言及されている。その解決策として、組織の中で未来のトップを育てるのではなく、企業グループの子会社の経営者を親会社のトップとして活用していく方法が提案されている。僕の感想は「それは難しいかな」という気がした。適した代替案を持っているわけではないのだが、何かもっと考えていく必要があるような印象を受けた。
知識創造企業(野中郁次郎)…こちらの論文は「形式知」「暗黙知」の話。共同化→連結化→表出化→内面化のプロセスを通じて、知識が組織内に展開されて行くという内容で、この内容はナレッジ・マネジメントが取り上げられる際に必ずといって良いほど耳にする。この論文自体は初めて読んだのだが、改めて読んでみたという印象を受けた。それほど頻繁に紹介されている内容ということが言えると思う。
優秀なプロフェッショナルの学習を妨げる「防衛的思考」(クリス・アージリス)…単純に読んでいて面白い論文。コンサルタント達にプロジェクトの問題点について意見交換をさせたところ「顧客が悪い」「マネージャの管理が悪い」「組織(コンサルティングファーム)の仕組みが悪い」ということばかり言うだけで、自分達の内面的な問題点に目を向けようとしないとことが紹介されている。このように建設的に物事考えられない風土の組織は多いと思う。本論文では、この問題点の解決策として「トップから変化すること」が提案されている。これを逆説的に読むと、トップが自分達の内面的な問題に目を向けていない会社は、このような風土を持っていると予想することができるように考えられるのでは無いかと感じた。業績予測の下方修正を行った際に、環境変化などの問題ばかり上げて、自分達経営者自身の企業の舵取りに対する問題点検証とその対応策が示すことのできない会社。そんな会社は、全社的に「防衛的思考」が蔓延している可能性が高いと考えられるように思う。
ラーニング・ヒストリー:経験を企業に生かす法(アート・クレイナー、ジョージ・ロース)…この論文で取り上げられているイプシロン・プロジェクト。このプロジェクトは組織のルールを無視し、取り組んだ結果非常に良い結果をもたらす。遂行過程では、組織からルールを守るように強制されてしまうが、結局のところ、隠れてルールを無視して進められていく。その結果、成功を納める。ルールを破ることが、このイプシロン・プロジェクトのように良い結果をもたらすとは限らないが、組織はこの結果から学ばなければならないことがたくさんあるのだろう。しかし、このような論文の事例は危険な事例でもあると思う。組織が凝り固まって身動きがとれなくなることも問題だけれど、ルールを守らないことの危険性も同時に存在するのだから。
企業を「創造」する為の企業内研究(ジョン・シーリー・ブラウン)…ゼロックスのPARC(PaloAltoResearchCenter)で行われる研究及びその研究が実際の商品にどのように生かされてきているか。印刷物を出力するプリンタが、イノベーションによってコミュニケーションツールへと進化する。その進化の過程をたどった内容は興味深く読むことができた。
プロフェッショナルの知的能力のマネジメント(ジェームス・ブライアン・クイン、フィリップ・アンダーソン、シドニー・フィンケルスタイン)…知的能力中心の組織。「組織を逆転させる」という組織の考え方は、末端に居るプロフェッショナルが中心となって活動し、その上司はプロフェッショナルをサポートする立場をとるという考え方。これを意識していた訳ではないが、実際には私は、人に仕事を依頼する際にその人が最高のパフォーマンスを出せるようにサポートしていく働きかけを意識している。このような働きかけが、知的能力を発揮するよい方法であるという考え方が存在することで、自分の意識に少しの自信を持つことができた。
その他、「学習する組織」の構築(デイビッド・A・ガービン)、創造的摩擦を活用するマネジメント(ドロシー・レオナルド、スーザン・ストラウス)という論文が収録されている。
日付:2005/06/08
「弘海 息子が海に還る朝」に引き続いて、市川拓司氏の作品を読みたくなったので購入して読んでみた。この作品は映画「恋愛寫眞 College of Our Life」のノベライズということだが、いつもの彼の作品と同じ雰囲気がある。物語の展開から、ある程度結末は予想できるし、読み終わった感じも期待通りと思える。
主人公「誠人」の不器用さと、少女の姿をした「静流」の物語。静流は少女の姿をしてはいるが、できの悪い弟(=誠人)をもった姉のような振る舞いを見せる。写真撮影に関しては、誠人は静流の先生役。どちらがどちらについて行くわけでもなく、そんな恋愛関係。普通と言えば普通の会話が交わされているが、そこにちょっと不思議な現象がある。
彼の作品は、ワン・パターンなのかもしれないけれど、期待に応えてくれる、読みたい物語が読めるという意味でもある。そして、現にまた、彼の作品を読みたいと思っている僕が居る。
日付:2005/06/01
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