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2004年09月 読書ノート
最終更新日:2004/09/20

 ここでは私が読んだ本についての感想を公開しています。本のジャンルは「なんでもあり」です。

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堀江貴文のカンタン!儲かる会社のつくり方
堀江貴文(ソフトバンクパブリッシング)

 ライブドア社長による著書である。書名のようなノウハウ本ではなく、会社設立と運営に当たっての苦労や体験について記されている。さまざまな経験について示されているが、その中で面白かったのが「会社をどう広告宣伝するか」の部分。破たんしたライブドア社を買収して、社名をライブドアに変えてしまうという手法(ちなみに旧社名は「エッジ株式会社」)。以前知り合いと、「どうしてエッジはライブドアに社名変更したのだろうか」と話していたことがあったがこういう理由だったのかと納得した。思いつきといえば思いつきなのだろうけれど、上手い手だと思う。
 この本を読んだのは、会社を作ろうと思ったからではなく、時の人だから何を考えているのだろうか知りたいと思い読んでみた。会社を作るという視点から読んでみると、著者の「カンタン!」と意図した通り、「彼は偉業をやり遂げたわけではないんだ」と思えるような構成になっていたと思う。しかし注意深く読めば、普通の人には会社を作り成長させるのは難しいと言うのがわかる部分がいろいろと示されている。特に私が感じたのは人材マネージメントの部分で、人間関係はドライに、ということが示されている。そもそも日本人は人間関係をドライに保つことが得意では無く、そのような関係を保つことは非常に難しいと思う。また、降格人事をバンバン行うということに関しても、理にかなう形での実施であれば最終的に嫌われることは無いだろうが、一時的にでも嫌われ役になってそれを実行すると言うことは難しいのでは無いだろうか。甘いと言われればそれまでだが、普通の人は甘いものです。もちろん、著者も会社を作って成功できる資質がある人は、自分の周りに自分より優秀な人が半数以上いないと思える人という条件を大前提にはしています。
日付:2004/09/20


内側から見た富士通「成果主義」の崩壊
城繁幸(光文社)

 近年どこの会社でも成果主義を導入しているがどこの会社も問題を抱えながら導入していると思われる。とりわけNECは富士通と同じように成果主義を導入しているので、未来のNECが見えるのではないかと思って手にとって読んでみた。実際に読んでみて感じたのは、NECも同じような状況だなぁという感想だ。特に感じた点は、「降格の存在しない成果主義」「年功で出世した管理職による評価」の2点だろうか。
 肝心の本の内容についてだが、いわゆる内情の暴露が行われた後、最後に成果主義はどのように導入すべきかという著者の見解が示されている。最後の著者の見解は、これだけ内情を暴露した後で示すにはちょっと寂しい内容だと思った。リクルートがどう、日興コーディアル証券がどうとかではなく、著者の富士通での経験から科学的に導き出して欲しかったと思う。この本の内容がどこまで真実でどこまで真に受けてよいものかと考えてしまうが、富士通における成果主義の導入に問題があったことは事実なのであろう。
日付:2004/09/19


キャラクター小説の作り方
大塚英志(講談社現代新書)

 この本を読み始めてみて最初の方は小説の作り方についての話で、久しぶりに小説を書いてみたいなぁと感じた。ところが読み進めていくうちだんだん、小説の作り方というよりも批評、キャラクター小説のあり方についての著者の意見になってきた。それはそれで面白かったけれど、「キャラクター小説の作り方」というタイトルをみて購入した人は、ちょっと期待外れと感じるのではないだろうかと思われた。
 この本が、キャラクター小説の作り方の本として優れているかどうかは別として、本の内容自体は様々なキャラクター小説、漫画、文芸作品について触れられていて興味を持って読むことができた。サブカルチャーという文化を眺めて見るという格好で、この本を読んでみるのも面白いのではないかと感じた。
 ところでこの本で戦争、テロについて触れられているが、これを読んだ今日が偶然9月11日だった。別にだからどうということはないが、今日がそういう日であることはほとんど忘れていた。
日付:2004/09/11


ほたるの星
宗田理(角川文庫)

 「ぼくらの七日間戦争」でお馴染みの宗田理氏が取り組んだ物語ということで手にとって読んでみた。映画化を考慮の上で書かれた小説ということもあり、すらすらと読み進めることができた。読み進めていて、まず感じたのは懐かしいという感覚だった。もちろん平成16年に作成された物語らしく子供がインターネットでホタルについて調べたりもしているが、物語の雰囲気は「ぼくらの七日間戦争」と同じ雰囲気を持っていると感じた。
 巻末に、映画「ほたるの星」の監督である菅原浩志氏の撮影後記なるものがあり、その中で「軟弱で線の細い男が多くなっている昨今、逞しく男らしく、それでいて…」という俳優に三輪元を演じて欲しかったと記されている。が、僕がこの物語を読んでイメージした三輪元は、どちらかというと軟弱で線の細い主人公だった。三輪元は、強い主人公ではなく、(この物語の体験を通して)強くなっていく主人公なのではないだろうか。
日付:2004/09/10


Software People vol.4
(技術評論社)

 ソフトウェア開発を成功に導くための情報誌と銘打たれた本(ムックかな?)です。以前にXPやUMLなどが特集がされていましたが、vol.4の「要求の仕様化入門」の特集は私にとって非常に有用な特集でした。また、ソフトウェアの開発を行っている方には、ぜひ読んでほしい特集でもあります。
 この特集では、要求定義があいまいであるとソフトウェア開発が上手くいかないというような基本的なソフトウェア工学についてについても触れられていますが、どちらかというと「要求仕様書をどのように書くか」ということを中心に書かれています。後の開発工程での混乱の発生を防ぐためには、どのようなフォーマットで要求仕様書を記述する(この特集では、記述するというよりも整理するといった方が適切と思います)と良いかについてのノウハウが紹介されています。この特集で紹介された手法を読んでみて納得できる部分も多く、実際にソフトウェア開発の現場の方が紹介する方法でもあるので、活用していけるのではないかと思います(私も活用できる部分は活用していこうと思います)。
 また、この特集の著者は、ソフトウェアエンジニアのためのホームページというサイトでさまざまな意見を書いておられるようです。
日付:2004/09/04


天国の本屋 恋火
松久淳+田中渉(小学館文庫)

 この本は竹内結子主演映画の原作本なのだが、読んでみてまず最初に香夏子を竹内結子が演じるというのははまり役だなぁと感じた(もちろん映画原作というのを意識して読んだからという面もあるが)。この作品はピアニストと花火職人の恋の物語なのだが、話の長さもバランスよく短めで、挿絵もやさしいタッチで描かれており非常に読みやすい本だという印象を持った。また、健太と香夏子のシーンを交互に組み合わせるという手法も無理なく読み進めることができた。
 天国の本屋という作品はシリーズとなっているようなので、シリーズの他の作品も読んでみたいと思う。ただ一点残念なのは、この作品では「本屋」という要素が十分に生かされていないような感じがした。所々で挿入される本の内容や、健太がピアノの楽しさを思い出すきっかけの要素として本屋の存在があるのだが、本屋であることをタイトルにするほど意味が大きいようにも感じられなかった。そこはシリーズものの苦しい部分かと思った。ちなみに単行本のタイトルは「恋火」で、文庫版にする時に「天国の本屋 恋火」というタイトルになったようだ。
日付:2004/09/01




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