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1997年09月 読書ノート最終更新日:1997/09/24
ここでは私が読んだ本についての感想を公開しています。本のジャンルは「なんでもあり」です。
デミアンヘッセ(新潮文庫)
ヘッセの著作を最近よく読んでいるが、一番訳の分からない作品だった。しかしながらなんだか伝わってくるものがある。解説にあったが、この作品がヘッセの前期と後期の分かれ目になるらしく、この作品は今まで読んだ「車輪の下」「メルヒェン」等と少し違う感じがした。
ところで、デミアンという謎の少年がシンクレールの元に何かあるごとに現れる、この現象は読み終えた今となるとすべてシンクレールの空想だったのではないかと感じられる。しかしデミアンが空想の人物だと考えると、シンクレールという少年は実はすべてのことを自分自身で解決して生きて行く立派な人物という事になる。人は他人に影響されて生きて行く、自分自身が作り出した他人の影響がこんなにも大きなものなのだとは考えにくい様な気がする。しかし余りにもデミアンは空想的な人物でありすぎると思う。
日付:1997/09/24
このエミールという教育論は、カバーにも書かれている通り自然礼賛の教育論だという事が言えるのは分かるが、そういう割には人為的な事柄が多いように感じた。自然礼賛・人為排斥というカバーの表記は言い過ぎのように思う。エミールを自然に育てるために教育者は一般以上の人為的な行為で教育しているように見える。
この教育論を全面的に支持する気は毛頭ないが、それぞれに書かれていることに結構納得させられた。教え込む教育が批判されているが、それについてはある程度必要だと思うが、基本的には教育は待つことで行われるのがいいと思う。
日付:1997/09/16
「劇的とは」と言う全く抽象的で何が書いているか開いてみなければ分からないといった様な本だったが、目次を開いてみると演劇の話なんだと思って買って読んでみた。ヨーロッパ古典劇の章が一番興味があって面白かった。はじめにの所で「一種の戯曲論入門みたいになった」と書いてあったが、劇的といった抽象的なことを考えるのにそういった具体的な所から入っていくのは必然かとも思った。ついでに演劇論・戯曲論入門といった類の本も読んでみたいと思う。ちなみに、平家物語に関して触れていた章では、「鵯越という地名は神戸市兵庫区に現在存在する」とあったが現在神戸市兵庫区は北区と兵庫区に分割されたので、鵯越は北区にある。この本が書かれた時期にも既にそうだったので作者の勉強不足だろう。こう考えると本を書くのは慎重じゃなければならないなと変に考えてしまった。
日付:1997/09/13
この詩集は、だいぶ前に購入していた本だが、途中まで読んで放って置いた。しかし「メルヒェン」「車輪の下」といったヘッセの著作を読んでいるうちに、この詩集を読まずには居られなくなり、改めて一から読んでみた。その感想としてはやはり、ヘッセの描く世界は美しいなという感想だろうか。いつものことながら、詩集を読むと詩を書きたくなる。そう思ってペンを執ったりもした。
この詩集の中で「九月の哀歌」という詩があったがこの詩が何となく心に響いたように感じる。そしてこれからも、どんどんヘッセの著作を読んでいこうと思う。
日付:1997/09/08
演劇ノート井上ひさし(白水uブックス)
この本を読んでみてのとりあえずの感想といえば、演劇が見たくなったということだろう。帯に「またあの名作が見たくなる」と書いてあるが、井上ひさしの演劇といえば、「十一ぴきのネコ」しか見たことがない。見たことのある演劇の場合と見たことのない演劇の場合のエッセイではやっぱり読んでいてかなり違う感じがした。しかしこの本の作りは、公演パンフの文章などが大半なので、明確に「その演劇見たい」という気持ちがとっても溢れた。井上ひさしの演劇そんなに見ていない僕にこの本が楽しめるかどうか不安もあったけど、十分楽しめた。実際にこの本でふれられている演劇を見に行くのは難しいかも知れないけど、図書館とかで台本があったら借りて来ようと思う。
日付:1997/09/07
始め読み出したうちは、話が飛び飛びでよくわからない、と思った。文法書じゃないんだから論理的に順序立ててきちんと並んでいる必要はないかも知れないけれど、もうちょっとわかりやすく書くことに執着してほしかった。この本のタイトル「英文法の謎を解く」というのはちょっと本の内容からずれているような感じがする。どちらかというと、「日本の英語教育を批判する」という方が適当な感じがする。
このほんの最後の方で、「日本独自に発達した日本英語学の成果を尊重する。」と言うような英語学者と議論をした事例があったが、やはり居るのだな、頭の固い馬鹿な学者が。という感想を持った。
日付:1997/09/04
直木賞受賞作ということで読んでみたが、期待したよりは面白くなかったと思う。しかし柄は悪いが綺麗な話が多くて、結構楽しめた。短編集ということで読みやすかった。「鉄道員」という最初の作品がのんびりとした田舎の話だったので、このペースでゆっくりと読み進めていこうと言う気になったが、途中「伽羅」で東京のお話になって、ちょっとせわしない感じもしたけれど、相変わらずゆったりとしたペースで、この本はわざと時間を掛けて読めたように思う。「ラブ・レター」も何となく楽しめたが、「オリヲン座からの招待状」が一番楽しめたと思う。取りを飾るのにふさわしい短編だったと思う。何がという訳じゃないが、全体として寂しさを感じるような本だった。
日付:1997/09/01
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