てるてるのぺぇじ 更新履歴    サイト情報
総合ホーム 文芸作品館 IT研究所 日記帳 読書ノート
ホーム > 読書ノート > 1997年08月 読書ノート

1997年08月 読書ノート
最終更新日:1997/08/27

 ここでは私が読んだ本についての感想を公開しています。本のジャンルは「なんでもあり」です。

« 1997年09月 1997年07月 »

車輪の下
ヘッセ(新潮文庫)

 ハンスという名の模範的な少年と、ハイルナーという名の詩人である少年の二人にヘッセの像が写されていると言うことは読んでいて何となくわかった。人はいろいろな側面を持つから、二人の少年にヘッセを投影することはごく自然なことだと思った。僕はどちらかというとハイルナーの方に感情移入しやすいように感じて読み進めていた。しかし結末に近づき、ハンスがエンマに恋し、苦悩した。その後、機械工達と飲みに出かけて、別に恋の話を語り合った訳じゃなさそうだが、楽しそうに死んでしまったところで、人の死を美化するのはどうかという疑問もあろうが、妙に安らげたように思う。微笑みながら死んでいくと言うことも、ハンスの神学校のレールからはずれ、戸惑いのようなものしか残さなかったところから、「お疲れさま」と一声かけてあげたいように思った。
 解説でヘッセの生涯があったが、ヘッセもハンス同様神学校のレールからはみ出したわけだが、神学校にいた時代の出来事や環境が後の創作に生かされていることをみても、必ずしも過当な教育を悪いと断定しなくても良いように僕は思う。
日付:1997/08/27


植物性恋愛
松本侑子(集英社文庫)

 少女時代に強姦された女性の愛と性の分離ということがテーマになっていて、男である自分にはわからないところだなと思いながら読んでいた。男である僕が何を言おうともという感じだろうか。しかしそんな強姦された経験といった極端なものでなく、女性の恋愛に対する考え方には時折触れることある。そういった考え方を聞いたとき僕は「極端だな」といった感想を持つことが多い。でもこの小説での沙江子の考え方の変化などを読んでみると、きっと彼女たちも強く主張しながらも自分の考えに揺れていたりするんだろう、といったような気がする。そうじゃないような感じもするけど。
日付:1997/08/25


英語の歴史
中尾俊夫(講談社現代新書)

 ざーと駆け足のような感じで、英語史の流れが述べられていた。歴史と聞くと、とにかく昔から順番に述べられているような印象を持っていたが、この本は分野別(文法・語形・発音・語彙)に並べられていて、今との比較が常にされているのでわかりやすかった。全体を読んだ感想としては、英語というのはやっぱり借入語が多いのだなと言ったところだろうか。しかしそれは現代だけの話ではなくて、昔からそうだったという事は知らなかった。それから、この本をしっかり読むためには「英語力」と「イギリス史の知識」がもっとあったら良かったのにと後悔した。でもこれをきっかけとして、もっと英語や英文化に触れるきっかけが作られればいいと期待しつつ、いろんな本に触れてみよう。
日付:1997/08/21


新きまぐれオレンジロード3
寺田憲史(集英社J−BOOKS)

 このシリーズも第3巻目となったが、まだ飽きてはいないと思う。今回は一冊に二話入っていたので、例のごとく一話ごとに感想を書こうと思う。
「まどかのシークレット・メモリー」…まどかが死んだハズの男と再開して、恭介の冒険が始まり、最後には昔の恭介が原因でそのイベントが起こったという落ちだが。あまりにも落ちが安易すぎるように思う。でもそれは小説だからで、漫画だったら許せる落ちかなとも思った。恭介がひかるに超能力者だとばらした後で、ひかるの記憶を消す辺りで、「このシリーズ続けるんだ」という妙な感想を持った。
「天使のアブナイ微笑」…とにかく安易な話だ。それ以上言うこともないような気がする。この展開も、「元が漫画だから」と言うことで許してしまえるんだけど。
日付:1997/08/21


月と六ペンス
モーム(新潮文庫)

 結構読んでいる間中、話が分からなかった。難しいなあと言う感じで読み進めていたが、読み終わってみるとなんて事はない、ストリックランド以外の登場人物が一定ではなく、その上話も一貫しているものではない。それじゃあ話が分からないのも当然で、エピソード集みたいなものと把握して読んで置けば良かったんだなと言う感じだろうか。しかしストリックランドという画家が出てくるが、これが小説の中の登場人物なので彼の絵を見ることが出来ない。読んでいて残念というか、興味を引いた部分はそれだろうか。後はいろんな話があったなぁと言う感じがしたと言うぐらいで特に感じたことはなかった。それにしても何故「月と六ペンス」というタイトルはなのかは、最後まで分からなかった。解説には「芸術的想像情熱と世俗的因襲を現しているらしい」とあるが、「そうなのかなあ」という感じしかしなかった。
日付:1997/08/17


不思議の国のアリス
ルイス・キャロル(ちくま文庫)

 つい、この間英語版を読んでみたがあの本は完全版ではなかったので、残りの部分の話がどんな風になっているのか疑問に思い完訳版を読むことにした。日本語で読み直した感想としては、英語で読んだときにだいたい読み取れていたなと確認できたことがある。それ以外には、完訳版なのでもっと細かな話の内容が分かったので面白かったと言うことがある。それで気付いたことにはこの話は全体の展開が面白いと言うよりは、部分部分の動物達の会話や行動が面白いんだと言うことだった。電車の中で読んでいて思わず吹き出しそうになった部分もあった。はちゃめちゃな話だなと言うのが、やっぱりこの物語の感想になるのだろう。
日付:1997/08/10


英語の語源
渡部昇一(講談社現代新書)

 「英語の語源」と銘打ってあって、英語の語源の話なんだなと思って読み始めてみると、ラテン語のお話が出てくる辺りは当然で、意外に漢字の話がふんだんに出てきて、その上日本語の話も多量に出てきた。英語の語源の話をするときに日本語まで関わって来るんだと意外に思った(日本人にとって日本語の話を出した方がわかりやすいからだとは思うが)。という感想もあった。しかしやはりこの本のメインテーマは英語の語源な訳なのでそちらの方の感想を述べるのなら、一言「やられた」という感じだろうか。語源をさかのぼると例えばmonsterやmonitorやさらにdemonstrationまでが関係するのだなと驚きの連続だった。しかし証明されているとは言っているが、嘘臭さもつきまとっていた。
日付:1997/08/05


旧約聖書 創世記
(岩波文庫)

 聖書その物を読んだのは多分初めてだろう。聖書を読むというと宗教家という感じだが、欧米でキリスト教が一般的に広まっている事を考えると、聖書を読むことはその文化の理解の助けになるに違いないと思ってこの本を手に取った。しかし、聖書という本はちょっと難しいと言うか、一回通読しただけでは訳の分からない本だと思ったのが読んでみた感想だろうか。しかし、「ノアの洪水」や「バベルの塔」といった有名なエピソードは知っていたし改めて実際に読んでみて楽しかった。しかし聖書その物を読むのはちょっとしんどいかも知れないと思ったので、また機会を見つけて聖書物語でも読もうと思う。
 それから、これを読んでいて気になったのは、やたらと語源の説明が多いことだろうか、もっと西洋の言語(ヘブライ語)を詳しく知っていたならその辺りが楽しく読めたのかも知れない。
日付:1997/08/02




« 1997年09月 1997年07月 »

アーカイブ
2007年08月 (3件)
2007年07月 (2件)
2007年06月 (1件)
2006年12月 (1件)
2006年11月 (3件)
2006年09月 (6件)
2006年08月 (8件)
2006年07月 (8件)
2006年06月 (6件)
2006年05月 (4件)
2006年04月 (2件)
2006年01月 (1件)
2005年12月 (7件)
2005年11月 (11件)
2005年10月 (7件)
2005年09月 (10件)
2005年08月 (11件)
2005年07月 (18件)
2005年06月 (9件)
2005年05月 (4件)
2005年04月 (3件)
2005年03月 (9件)
2005年02月 (15件)
2005年01月 (11件)
2004年12月 (9件)
2004年11月 (4件)
2004年10月 (3件)
2004年09月 (6件)
2004年08月 (2件)
2004年06月 (1件)
2004年05月 (1件)
2001年06月 (1件)
2001年05月 (1件)
1999年03月 (1件)
1999年02月 (4件)
1999年01月 (1件)
1998年11月 (3件)
1998年09月 (1件)
1998年07月 (1件)
1998年03月 (2件)
1998年02月 (7件)
1998年01月 (10件)
1997年11月 (1件)
1997年10月 (7件)
1997年09月 (7件)
1997年08月 (8件)
1997年07月 (13件)
1997年06月 (6件)
1997年05月 (9件)
1997年04月 (12件)
1997年03月 (17件)
1997年02月 (2件)
1997年01月 (4件)
1996年12月 (6件)
1996年11月 (8件)
1996年08月 (2件)
1996年07月 (1件)
1996年06月 (2件)






自作文芸作品館小説集詩集エッセイ集] / 情報技術総研論文集ITノート] / 日記帳 / 読書ノート

Copyright (C) 1999-1997 Takeshi Mikami