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1997年05月 読書ノート
最終更新日:1997/05/26

 ここでは私が読んだ本についての感想を公開しています。本のジャンルは「なんでもあり」です。

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新きまぐれオレンジロード2
寺田憲史(集英社J−BOOKS)

 恋愛物を期待して読んだのだが、冒険物だったので少し残念だった。しかし、この手のはこの手ので好きなので、楽しく読めた。まどかとひかるの友情という物が中心に描かれているような感じだった。女同士の友情ってのは僕にはわからない世界だが、悪いもんじゃないのだろう。(でも僕には男同士の友情の方がしっくりくるんだけれど)それから、この話に限らず演劇を物語のネタに持って来るって作品が結構目に付くような気がするのは、少し演劇をかじったからっだろうか。
 読み終わってみて感じたことに、この話は冒険物なんだろうが、その割りに、その辺のクライマックスがいまいち盛り上がりに欠けているなと言うことを痛切に感じた。
日付:1997/05/26


ファウスト(二)
ゲーテ(新潮文庫)

 第二部は、第一部に比べて訳が分からなくなっていて、読みにくかった。最後まで読み終えてからもいったいこの話は何だったのだろう、と言う感じがした。それにファウストとメフィスト=フェレスはいったいどうなったのだろう、と言う感じで正に訳が分からなくなっていったのでここに感想も書きようがないくらいだ。まず登場人物がどれくらいかさえ未だに把握できていない。そしてこれは戯曲にも関わらず、どんな場なのか全く想像できなかった。もう一度くらい読んでみればどんな話なのか分かるのだろうか。
日付:1997/05/25


ペスト
カミュ(新潮文庫)

 正に記録と言った文体で、やはり読みにくいと言う感じはあった。初めは取っつきにくかったが、だんだん文体に慣れてきてはまれるようになってきたのは、いつも通りという感じだ。それにしても、これだけの壮大な、記録のような文章を、作ってしまうのは凄いと感じた。医者や神父や囚人など、非常に変わった立場の人間からの意見が程良く入っていた。その意見がそれぞれなのだが、妙にバランスが良かったような気がした。一種の恐慌状態なので、どんなことでもまともであり、まともでない、と言う感じだろうかと思った。最後の所で、ペストは何時幸福をおそうかわからない。と言った記述はあまりにも予想でき過ぎた物だった様に感じる。
日付:1997/05/24


ファウスト(一)
ゲーテ(新潮文庫)

 戯曲という物は読み慣れていないので、初めは取っつきにくい感じが強かった。しかし読み進めていく内に慣れてきたという感じですいすいと読み進められた。戯曲の中に出てくる詩という物も、詩だけ単独で読むのとは違って面白かった。メフィスト=フェレスと言う悪魔は、とてもコミカルな感じがして面白かったが、どことなく怖い感じがし続けるのもやはり悪魔という感じで面白かった。ファウストの熱狂的な愛という者は、戯曲という形で客観的に見えるので、ちょっと嫌な感じもしたけれど、こんなもんだろうなと主観的に感じることもできた。
 あとがきにあった、ゲーテの生涯で、ゲーテがどう言った風に生きていたかが見れて、よりゲーテに親しめた。しかし、そこに登場するいろいろな作品を読みたいと思っても、文庫で手にはいるのだろうかという不安も募った。
日付:1997/05/16


少年H(下)
妹尾河童(講談社)

 上巻では、鷹取近辺の地理だけしか出てこなかったが、下巻に入って北区の地名なんかも出てきて面白かった。神有電鉄が出てきた時は、さすがに親近感がわいた。話の流れがだんだんと戦争の話になってきて、ありがちな小説になっていった様な感じがあった。初めの方の軽快なテンポで進んでいく話ではなくなってきたが、戦争について真剣に考える少年の姿を描き続けているのは、なかなか深刻な感じで引きつけられた。しかしそのような真剣な態度の少年が、最後には結局夢多き人で進んで行くだけでは物足りないような感じがした。でもこの結末だから、この本のタイトルは、青年ではなく、少年なんだなって感じがした。
日付:1997/05/13


少年H(上)
妹尾河童(講談社)

 神戸の話なので地理関係がわかりやすく、神戸の小学校で教えられて、神戸の歴史を知っていたので読みやすかった。初めの方は読んでいて、一つ一つが独立したエピソードのような感じかと思ったが読み進めていく内に長編小説なんだと気付いていく感じだった。読みやすい本なので、面白く読めた。しかし、台詞が神戸弁なのでその辺りが自分のように神戸にすんでいる人間ならともかく、外の人間は読みにくいだろうかと感じた。しかし上巻を読み終えたわけだが、そろそろ主人公が少年でなくなってきていて、次からは読み進めるのがしんどそうな感じがする、と思った。
日付:1997/05/09


ボヘミアンガラス・ストリート 9 さよならが言えない
平井和正(アスペクトノベルス)

 とうとう、最後まで読んでしまった。今までの話の内容を全てつなげてしまうような結末だが、ちょっと強引すぎると感じた。だって、神様なんて出してしまったら、それこそ切り札みたいな物だから、なんでも有りになってしまうではないか。しかし、パラレルワールドをつなぐと言う無茶苦茶な行為をする円を円自身が罰するというのも面白く、なんだか最高の力を持つ物が無茶苦茶し放題だけど、無茶苦茶できない理性があるという、それって人間も多分そうだろうなと感じるものがあった。
 これだけ読んでみて、やはり漫画の世界だと感じたのは、やはり平井和正だからだろうか。今から思えばこんなにサクサクと読み進められたのは、それが原因か。
日付:1997/05/07


黒衣の騎士
水野良(角川ノベルズ)

 水野良の作は、久々に読むような感じがする。この話はロードスの外伝と唱っていないのが不思議な感じがしたが、読んでみてクリスタニアとの関わりもあるんだなと妙に納得した。短編集なので、一つ一つ順に読んでいった訳だが、載せる順序はこれで良いのか、なんだかわかりにくいような気がするぞ、と思った。一つ一つは、ロードス島戦記を読んできた僕には面白かったけれど、時間順に並べろとは言わないが、順序は読者を混乱させる順序だったのではないかと感じた。どの話も短編の割にはボリュームがあって楽しめたが、最後の「上陸」はボリューム不足のような感じを受けた。これ以上書くとクリスタニアになってしまうのだろうが。
日付:1997/05/07


貧しき人びと
ドストエフスキー(新潮文庫)

 マカールとワーレンカの手紙のやりとりだけで構成されている話で、読みやすいのは読みやすいが終わり方にはなんだか満足いかない物がある。しかし、下手に手紙という枠をはずしてしまうよりはこの方が満足できる終わりだったと思う。しかしワーレンカはこの後、マカールに手紙を送ったのだろうか。絶対に送ると言っておいて送らないと言うような終わり方は嫌だけれど、送らなかったような感じのする結末だ。この話に出てくる「貧しき人びと」は、みな貧しくなくなっていくが、心の面では貧しくなっていくと言う結末だと思うから、きっと、ワーレンカはマカールに手紙を出さなかったと思う。
日付:1997/05/04




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